動画「艦隊興亡記」で使用したデータのまとめ

下記の動画で使用したりしなかったりした歴史的データについての出典や計算方法についてのまとめです。



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日本の人口について

日本の人口推計についてのデータはこちらを参照しました。
e-stat(政府統計の総合窓口)
人口推計 > 長期時系列データ > 我が国の推計人口(大正9年〜平成12年)
男女別人口(各年10月1日現在)- 総人口(大正9年〜平成12年)
http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/List.do?bid=000000090004&cycode=0

1920年の第一回国勢調査以降、5年毎の正確な人口がわかるようになり、そこからさらに1年毎の人口を推計したものが上記のデータです。
今回の動画ではこのデータの1920年と1925年の値の傾きから、1919年以前を単純計算しました。

動画では採用しませんでしたが、下記のようなデータもあります。
国勢調査以前の日本の人口統計
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9B%BD%E5%8B%A2%E8%AA%BF%E6%9F%BB%E4%BB%A5%E5%89%8D%E3%81%AE%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%81%AE%E4%BA%BA%E5%8F%A3%E7%B5%B1%E8%A8%88
第四十五回日本帝国統計年鑑(昭和元年)
著者:内閣統計局 編
http://kindai.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/974434/2

※コマ番号27、に1919年(大正8年)以前の戸籍数
 「内地ニ本籍ヲ有スル人口」(朝鮮・台湾・樺太は含まない)が載っています。
※本籍人口・現住人口には死亡・脱籍等の届出漏れによる虚数がかなり含まれているので注意




日本以外の人口について

イギリス人口
出典:historical demographical data of the whole country
http://www.populstat.info/Europe/unkingdc.htm
アメリカ人口
1939年までの出典:Statistical Abstract of the United States 1942
https://books.google.co.jp/books?id=0GzsK6V6R-EC&pg=PA11&f=false
※米国本土、1850から1941年、および1941年にアラスカ、ハワイ、プエルトリコ、フィリピン諸島、1914年のために、7月1日のように推定

1940年以降の出典:国防総省会計監査オフィスの2008会計年度のアメリカの国防予算の試算資料
https://www.whitehouse.gov/sites/default/files/omb/budget/fy2008/pdf/hist.pdf
ドイツ人口(1950年まで。それ以降は国連の世界人口予測資料から)
National Bureau of Economic Research
http://www.tacitus.nu/historical-atlas/population/germany.htm
ロシアの長期人口統計(1867年〜2002年)
Discussion Paper Series A No.499
http://www.ier.hit-u.ac.jp/Common/publication/DP/DP499.pdf
ソ連の人口データが欲しかった……どっかに無いですかね?
歴史上の推定地域人口
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%AD%B4%E5%8F%B2%E4%B8%8A%E3%81%AE%E6%8E%A8%E5%AE%9A%E5%9C%B0%E5%9F%9F%E4%BA%BA%E5%8F%A3
その他の国の人口データ(1950年以降のみ)
国連経済社会局人口部(United Nations, Department of Economic and Social Affairs Population Division)
2012年版 世界人口予測(World Population Prospects, the 2012 Revision)
http://esa.un.org/unpd/wpp/Excel-Data/population.htm
人口予測のデータですが、1950年からの実績データも載ってます。




物価指数について

日本銀行・時系列統計データ検索サイト
企業物価指数 [戦前基準指数] 総平均 暦年平均
http://www.stat-search.boj.or.jp/




日本の軍事費について

日本の軍事費の出典
帝国書院:統計資料 歴史統計
軍事費(第1期〜昭和20年)(元資料:大蔵省「決算書」)
https://www.teikokushoin.co.jp/statistics/history_civics/index05.html




日本のGDPの計算について

私の結論として、ネット上に戦前の明確なGDPの素データは見つかりませんでした。
(GDPは1963年に提唱された指標なので、それ以降のデータならある)
ですが、世界中の国の歴史的GDPを試算したデータは見つけました。
GDPの出典
著者:アンガス・マディソン(Angus Maddison)氏(イギリスの経済学者・故人)
Statistics on World Population, GDP and Per Capita GDP, 1-2008 AD
http://www.ggdc.net/maddison/oriindex.htm
※動画に使用したデータはこれの若干古いバージョンでした(今気づいた)
※古いと言っても「2010年版」と「2009年版」の違いなので問題は無いと思います

しかし、このデータにあるGDPは「1990 International Geary-Khamis dollars(1990年国際ドル基準の実質GDPを購買力平価で換算したドル値)」で、このままでは動画内の軍事費(円)と並べて表示しても全然ピンと来ない数値なので、動画に載せるに当たって「軍事費と対比できるデータ(つまり円データ)」へと変換する必要がありました。

そんなわけで、このデータを1990年1月1日のドル円レート「1ドル143.55円」を使って強引に円に換算し、そこからさらに物価指数を使って当時の基準(円)に換算する、という無茶な計算をしています。
(※元データが1990年基準値なので、理論的には1990年の為替レートで全て換算可能。1990年基準の円データになるはず)

「軍事費/GDP比率」を計算するにあたって、軍事費の出典が「大蔵省:決算書」なので、おそらく年度単位での数値(4月〜翌年3月)ですが、GDPのデータは多分暦年データ(1月〜12月)だし、為替レートも1990年1月1日に固定しちゃってるし、こんな計算でいいのか? という疑問もありますが、動画で欲しいのは、あくまでも目安となる数値なので、まあ多分良いんじゃないかと思います。

一応、動画で用いた具体的な計算式を載せておきます。

当時の物価指数 / 1990年の物価指数 * 元データGDP(million) * 143.55(円) * 100
※元データの単位が100万ドルなので最後に100をかけて単位を1万円にしている

これで当時の円ベースでのGDP値に変換できているはず……!
私はド素人なので、ここで変なツッコミ入れられても困るので、適当に納得してやって下さい。




軍事費/GDP比率

日本の戦前・戦中の軍事費/GDP比率は、上記で用いた軍事費とGDPから単純に計算しました。
日本の戦後の防衛費/GDP比率に関する資料は下記から。
第一学習社版 教科書・副教材のデータ更新等
http://www.daiichi-g.co.jp/komin/info/siryo/7/030531/t/ta.html
その他の国は下記の通り。
イギリスの軍事費/GDP比率
Guardian News and Media Limited or its affiliated companies.
Total Strength, UK Service Personnel (Regulars)
http://www.theguardian.com/news/datablog/2011/sep/01/military-service-personnel-total
1928年以前のアメリカの軍事費/GDP比率
usgovernmentspending.com
http://www.usgovernmentspending.com/downchart_gs.php?year=1800_2010&view=1&expand=&units=p&fy=fy11&chart=30-fed&bar=1&stack=1&size=l&title=&state=US&color=c&local=s

1929年以降のアメリカの軍事費/GDP比率
History of the American Economy
https://books.google.co.jp/books?id=HD6XTMvVPgoC&pg=PA469&f=false
イタリアの軍事費/GDP比率
HITLER'S ITALIAN ALLIES(P.26)
http://ir.nmu.org.ua/bitstream/handle/123456789/121758/af2fa2f3c1a9f0fc56c27ad8a917b427.pdf?sequence=1
ドイツ・ソ連の軍事費/GDP比率
The World Economy between the Wars
https://books.google.co.jp/books?id=S063nIcp3xMC&pg=PA22&lpg=PA22&f=false




軍人・兵士数

日本の軍人数
「昭和戦争の惨禍の責任」ページ内資料より抜粋
陸軍は動員総人数・海軍は12月31日現在の現員数
http://www.page.sannet.ne.jp/mhvmhv/ShowaWar.html
イギリスの軍人数(1900〜2011)
Guardian News and Media Limited or its affiliated companies.
Total Strength, UK Service Personnel (Regulars)
http://www.theguardian.com/news/datablog/2011/sep/01/military-service-personnel-total
アメリカの軍人数(1934〜1948)
Statistical Abstract of the United States
https://books.google.co.jp/books?id=IZFGAQAAIAAJ&hl=ja&hl=ja&pg=PA224#v=onepage&q&f=false
ドイツの軍人数(1939〜1945)
Feldgrau.com - research on the German armed forces 1918-1945
http://www.feldgrau.com/stats.html

Wehrmacht=ドイツ国防軍(陸軍、海軍、空軍の三軍の総体を指す)
  Heer=ドイツ陸軍
  Kriegsmarine=ドイツ海軍
  Luftwaffe=ドイツ空軍
  Waffen-SS=武装親衛隊(軍隊ではなく、党もしくはヒトラー個人の私兵)




戦艦「金剛」のお値段

金剛はイギリス・ヴィッカース社で作られました。
建造契約は 230万7100ポンド(1910年11月17日契約)

さて、これを円に換算するわけですが。

この時(1910年11月17日)の為替相場(の目安)は「1円=2シリング0.438ペンス」です。
※契約日にお金を払う訳では無いので正確ではありませんが、ここではこの計算でいきます。

現在は1ポンド=100ペンスなのですが、これは1971年2月13日に設定されたもので、当時は「1ポンド=20シリング=240ペンス」という、とてもややこしいものでした。

それで「1円=2シリング0.438ペンス」をポンドに直すと「1円=0.101825ポンド」
つまり金剛の(当時の)建造費は「2265万7500円」となります。

さらに1910年の物価指数「0.594083333333333」と、2013年の物価指数「717.308333333333」を用いて 2013年の値段に換算すると「273億5712万7612円」になります。


※などと計算してみましたが、実際の所を海軍省年報で見てみます。
各年度毎の各艦の製造費が載っていますので、金剛を建造した1911年〜1913年までの製造費を合計します。
海軍省年報. 明治44年度(1911年)、第4編:兵器艦船造修、第3:艦船製造費内訳
  伊号装甲巡洋艦(金剛)の船体機関及び備品費:221万0613円83銭
  伊号装甲巡洋艦(金剛)の兵器費:352万5017円49銭6厘
  合計:573万5631円32銭6厘
海軍省年報. 大正元年度(1912年)、第4編:兵器艦船造修、第3:艦船製造費内訳
  金剛の船体機関及び備品費:222万5335円53銭
  金剛の兵器費:202万7131円63銭7厘
  合計:425万2467円16銭7厘
海軍省年報. 大正2年度(1913年)、第4編:兵器艦船造修、第3:艦船製造費内訳
  金剛の船体機関及び備品費:503万5006円35銭5厘
  金剛の兵器費:242万3072円96銭5厘
  合計:745万8079円32銭
海軍省年報. 大正3年度(1914年)、第4編:兵器艦船造修、第2:艦船製造費内訳
  金剛の船体機関及び備品費:5616円21銭2厘
  金剛の兵器費:43万3099円26銭
  合計:43万8715円47銭2厘
※金剛の竣工は1913年8月16日ですが、海軍省年報では1914年度にも製造費で計上されていたので一応加算します。
恐らく、完成後に何ヶ月もかけてイギリスから運ぶのにかかった諸費用を「製造費」で計上したとか、請求の関係で支払いが発生するまでの間に年度を跨いだとかじゃないかと思います。
となっていますので、これらを合計すると……
巡洋戦艦「金剛」の建造費は 1788万4893円28銭5厘 となります。
けっこう私が計算で出した額とは誤差がありますね(当たり前ですが)。
第一次世界大戦寸前で、為替や物価が大きく変動してそうなので、そのせい……という事にしておきましょう(汗)
ちなみに、この金剛製造には贈賄があった事が、後に発覚します(シーメンス事件



その他資料

外務省資料:賠償並びに戦後処理の一環としてなされた経済協力及び支払い等
http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/taisen/qa/shiryo/pdfs/shiryo_07.pdf
太平洋戦争の様々な統計データがあります。
http://e.gmobb.jp/nvc/TR7.HTM
大日本帝国海軍艦艇一覧
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A7%E6%97%A5%E6%9C%AC%E5%B8%9D%E5%9B%BD%E6%B5%B7%E8%BB%8D%E8%89%A6%E8%89%87%E4%B8%80%E8%A6%A7
旧日本帝国海軍艦艇一覧
http://www.nagai-bunko.com/shuushien/gunji/gunkan.htm
第二次大戦下 生活資材闇物価集計表
http://rcisss.ier.hit-u.ac.jp/Japanese/introduction/tss/tss044.pdf
近代デジタルライブラリー
明治大正財政史・第一巻
http://kindai.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1446683
日本本土空襲一覧
http://ja.wikipedia.org/wiki/Category:%E6%97%A5%E6%9C%AC%E6%9C%AC%E5%9C%9F%E7%A9%BA%E8%A5%B2
エンゲル係数の長期推移など
http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/2350.html
エンゲル係数の実データ(戦後)
http://shouwashi.com/transition-engel%27scoefficient.html